経 ( けいけん ): 
教 育
芝浦工業大学専門職大学院「工学マネジメント研究科」に入学して

芝浦工業大学は2003年4月から、日本初の専門職大学院「工学マネジメント研究科(MOT)」をスタートさせた。
私は、独学で学び、経験的に進めてきたマネジメントをMOTにて改めて学んで見る事にした。
ここでは、MOTで学んだこと、私が研究や勉強をして気付いたことなどを紹介する。


◆◇ 2004年(平成16年) 03月の出来事 ◇◆

2004年03月31日(水)
MOT的思考:問題意識
 某大学のZ教授とあった。「世の中の変化が激しい」ので大変だと先生は語る。
 変化が激しいとき、確かにその情報についていくのは、新たな情報を日々入力しなけばならないので大変だとおもう。
 しかし先生は、「問題を問題として捉えられる、問題意識を持つことの能力では、まだ勝てる」といわれる。
 いま手がけている塾のコンサルで某有名大学のA1君と議論することがあった時、それを強く感じた。
 事象を捉えて、「問題だ」と思うセンスは、基本的に過去の経験に裏付されて出てくることだと感じる。
 問題意識においては、20台の学生とその規模が2桁も3桁も違うことに気づく。
 日本では、動的な知識を捉える教育・訓練がされてないことも、一つの要因だろう。

2004年03月30日(火)
MOT的思考:ソフトウェア開発入門(7)
 □ 人の管理 □
 ソフトウェア開発が、ごく少数の人間でプロジェクトを構成して開発しているときには、
プロジェクトリーダに対して、マネージメント能力を要求することは無かった。
 しかし、1人で開発出来る規模を超えると、計画的にかつ組織体制を組んで開発するしかなくなる。
 人の管理を抜きに開発は進まなくなる。
 構成員の家族構成、住まい、出身地、心理学的な分析、血液型などの個人情報を含めて掴む必要がある。
 @ 人の性格が分かって初めて管理できる。
 A 出来ない人に仕事をやらせても無駄。
 以上の2点は、私のプロジェクトリーダ経験で学んだ教訓でもあるのだ。
 (c)k.Kodaira.2004.3
 
2004年03月29日(月)
MOT的思考:ソフトウェア開発入門(6)
 □ 開発リーダに要求される能力 □
 私が考えるソフトウェア開発プロジェクトのリーダに要求される能力は、次のとおりである。
 @ 明確な方針と開発思想を持ち、指導力がある。
 A 顧客と仲間とコミュニケーションが出来る。
 B 要求機能や実現機能を階層で捉えられる能力を持つ。
 C 作業要素を把握でき計画を立てられる。
 D 迅速な意志決定ができる。
 (c)k.Kodaira.2004.3

2004年03月28日(日)
MOT的思考:システム調査
 コンサルの仕事で、お客様のシステムの調査を行うことがある。
 コンサルの立場で、お客様と別な視点でお客様のシステムを見ると、いろいろな問題が見えてくる。
 ここで重要なことは、「お客様は何で我々コンサルにこの調査を依頼したか」という真のニーズをつかむことだ。
 問題をただただ『問題』として報告したら、お客様は『問題』で傷ついてしまう。
 報告する『問題』は、お客様の怠慢をさらけ出すことになるからである。
 注意しないと、お客様からみるとコンサルが敵になってしまうのだ。
 以上のことを配慮するだけで、報告内容は変わってくる。
 
2004年03月27日(土)
MOT的思考:ソフトウェア開発入門(5)
 □ ドキュメンテーション(2)□
 文章を書くことが苦手で理科系を選び、技術者になる人は多い。
 私くし自身、もともと文章を書くことは、苦手だった。
 書きたい思いはあるのだが、書きたくても文にならないのだ。
 言いたいことを伝えたいが、素直に文章が書けないのだ。
 一生懸命、書いても自分の意思や気持ちが正しく正確に表せない。
 伝えることができないのである。
 私と同じような悩みや、思いを持っている技術者も多いと思える。
 その悩みを可決するには、基本は逃げずに取り組むことである。
 何度も、何度も推敲を重ね、納得するまで修正を重ねることである。
 文学者ですら、悩み苦しんでいる。
 (c)k.Kodaira.2004.3

2004年03月25日(木)
MOT的思考:ソフトウェア開発入門(4)
 □ ドキュメンテーション(1)□
 ソフトウェア開発における生産物は、ドキュメンテーションである。
 ドキュメンテーション技術は、いろいろな考えを書き物として残すための著作技術であるといえる。
 ソフトウェア開発作業で、「ドキュメンテーション」は、重要な生産物の一つとなる。
 ドキュメンテーションを作成するとは、あらゆる要素を検討して、
仕様を固めていく過程の諸条件や決定事項を次々に整理することである。
 (c)k.Kodaira.2004.3

2004年03月23日(火)
MOT的思考:ソフトウェア開発入門(3)
 □ソフトウェア開発の魅力□
 どこに、ソフトウェア開発の魅力があるのでしょうか。
@ 創造的仕事:ソフトウェア開発は、創造的な仕事である。
A 自己実現性:自分の考えていることを、比較的容易に表現することができ、
速やかに動作の確認ができる。
B 能力が明確:自分で作った成果物に対する作業評価は明確であり、
結果に対する自己責任範囲が明確である。
 (c)k.Kodaira.2004.3

2004年03月21日(日)
MOT的思考:ソフトウェア開発入門(2)
 □ソフトウェア開発の特徴□
 ソフトウェア開発には、どんな特徴があるのでしょうか。
●ソフトウェアは、システム開発、そのものである。
  開発の基本は、1回作れば、その資産を再利用できるということである。
●ソフトウェア作業は、必ずしも工学的な知識を必要条件としない。
  作業そのものは、むしろ工学的な部分を最小化・隠蔽化(関数化)することを行っておけば、
  文学的なベース(文章記述)で開発を進めることが可能となる。
●ソフトウェアを記述するためのプログラミング文法の基礎は易しい。
  マスターするための、手順を誤らなければ、基本文法は一日でマスターできる。
  誰でも、プログラムは一日目から開発できるようになる。
 (c)k.Kodaira.2004.3

2004年03月20日(土)
MOT的思考:ソフトウェア開発入門(1)
 □はじめに□
 エンジニアを目指すものにとって、ソフトウェアの知識は必須である。
 いまやソフトウェアを知らずして、「ものづくり」はできない。
 機能実現を行うための基本的な実現手段にソフトウェアを使うことが前提となっている。
 もの作りにおいて、ソフトウェアに関する知識を持たずして、開発を行うことは出来ない。
 (c)k.Kodaira.2004.3

2004年03月19日(金)
 
MOTのYさんと会話をした。
 Yさんは会うなり「仕事が面白くない」という。
 「仕事が面白くないのは、Yさんの責任です」と私はYさんに言った。
 私は、「今の仕事で目標を持ってますか」、「ガールフレンドと付き合うように、
営業担当やお客様と付き合ってますか」とYさんに質問する。
 常に、お客様や仲間から感謝されるように仕事はすべきだ。
 他人のせいにしては駄目だ。どんな仕事でも目標の設定はできると説明した。
 目標を持たない仕事は、止めたほうが良い。それは工夫や努力をしなくなるからだ。
 ガールフレンドと付き合うように、努力をしないと。
 「目標を設定したら、ゲーム感覚で仕事をしたいものだ」と。
 「お金を取っている以上プロだ。付加価値を生む、プロの仕事をすべき」と。

2004年03月18日(木)
 中国出張から帰ってきたXさんに会った。
 Xさんは会うなり、「上海の都市の規模は、日本の東京を既に抜いている。高層ビルの数が違う。」
 「中国は、外国からの借金で成り立っている。」、「上手に海外資金を使いながら発展を続けている」と話してくれた。
 わたくしは、1月上旬に書いた「国際金融」レポートの中で、
「中国の明るい一面(光について)」として、「中国は、新たな経済拡張期に入っており、
2002年以降、8%以上の成長が、2008年の北京五輪まで続くと見る。」と報告している。
 中国は、高度成長と国民生活水準向上により、消費ショックと需要ショックが起きていて、
いまや多くの分野で、中国の消費規模は既に日米を抜いて世界第一位となっている。
 現状の日本の景気回復は、中国の設備投資などの消費需要によって良い方向へと向かっている。
 21世紀は中国の時代となりそうである。
 米国がここにきて元気がない。中国に対して、各国、各社の大きな賭けが始まっている。

2004年03月17日(水)
 
MOT的思考: eBrand 売れる仕組みづくり
 ベンチヤービジネスや新規事業では、認知度のない新商品や新サービスを販売する必要がある。
 お客様が購入を決定するには、技術的視点での評価過程を踏んで、
お客様からの信頼と安心を得る必要がある。
 お客様が新商品や新サービスの購入を決定した段階は、
お客様の中に『エンジニアリング・ブランド(eBrand)』が形成された時である。
 お客様は、新商品や新サービスを充分理解して、
お客様のなかに安心感や信頼感が構築、つまりeBrandが構築されている。
 
2004年03月14日(日)
 
MOT的思考:マーケティング・サイクル
 4Pは、常にマーケティングを考えるとき、思い起こす。
 しかし、4Pを整理しても、売れる仕掛けが分かるわけではない。
 野口吉昭編の「マーケティングのノウハウ・ドゥハウ」のなかでその問題の解決策を
記述しているので報告する。
 『1. 市場を知る・顧客を知る・自社を知る
  2. マーケティング戦略の構築
  3. 価値ある製品・商品・サービスづくり
  4. 売れる仕組みづくりの具現化
  5. カスタマーロイヤルティを進化し続ける』
 以上の具体化、検討プロセスで取り組みが見えてくる。
 詳細は、下記参考文献を見ることをお勧めしたい。
 <参考文献>野口吉昭編『マーケティングのノウハウ・ドゥハウ』、PHP研究所

2004年03月13日(土)
 
MOT的思考:MOT TOP Fourum
 東芝元副社長、山本哲也氏の「モノづくり・日本、新たなSolutionへの挑戦」と題する講演を聴いた。
 市場のボーダレス化により顕在化したもの
 @ハイ・コスト日本:1971年からすると、為替レートが3倍と大卒の初任給が3倍上がり、15倍になった。
 A経営管理の貧困:一流のモノ作り現場と二流の経営管理
 B間接金融依存率の高さ:米英:13%、日本:59%
 C規制による競争制約:投資魅力のない日本
などを問題点としてあげていた。
 モノづくり・日本、新たなSolutionへの挑戦として、
 @技術intensveな新領域。モノ+Solutionの領域
 A新グローバル・ロジステイックスの構築
 B<P-M>Mnagement:Production-Manufacturing
 C間接部門生産性の飛躍的向上:IT技術の活用
 D一流の経営者・管理者の促成栽培
などをあげて、具体的に説明してくれた。
 経営者の資格要件として、@夢を語れること、A人間に対する深い洞察力と深い理解をもっている、
B人品卑しからず、C大局観に基づくコンセプトをもてることなどがあげられた。
 
2004年03月12日(金)
 MOT的思考:ブランドNo.2
 岡康道、吉田望著『ブランド』をまた取り上げたい。
 『「事業に志がない」という病がある。・・・「志」というのは2つの要素から成り立っている。
(1)ドメイン(事業領域)と(2)卓越する意志と方向、これではないかと思う。
まず、ある程度どの方向でがんばるのかが、明らかでなくてはならない。』
 どこで頑張るのかを明確にして、そこでよい仕事を目指すのだという強い意志を示すことが必要だという。
 日本人の経営者は、明確な方向づけを打ち出せない。出さなくても済んできたからだ。
 ここに、日本経営の問題がありそうだ。
 <参考文献>岡康道、吉田望著『ブランド』、宣伝会議

2004年03月10日(水)
 
MOT的思考:スポーツとの付き合い
 一日に一回は軽い汗をかくスポーツを生活の中に組み込みたいものだ。
 わたくしの一日は、近くの学校の校庭の200mトラックを5周回って、軽い汗をかいて、風呂に入ってスタートする。
 お彼岸も近くなって、朝6時には明るくなった。日本も明るくなると良いのだが。
 まずは神頼み。そして願いながら自分の努力をチェックする。

2004年03月09日(火)
 
MOT的思考:グローバルビジネス
 韓国からエンジニアが来て、お客さまのところに出かけて、改修作業をおこなった。
 技術者の精神構造は同じだ。
 「いい製品を世の中に出したい」との気持ちは国境を越えて共通だ。
 話は変わるが、日本に来た韓国人に「日本で行きたいところは」と質問すると、みなさん「秋葉原」と答える。
 日本人も「秋葉原」を探索しよう。

2004年03月08日(月)
 
MOT的思考:ブランド
 岡康道、吉田望著『ブランド』を読み進めていくと、参考になる記述がある。
 『− 組織に人をさそう3つの台詞 − (1)一緒にお金を儲けましょう。(2)家族となって生きていきましょう。
(3)志のために命をかけましょう。』
 起業のときの仲間集めの台詞に使える。
 <参考文献>岡康道、吉田望著『ブランド』、宣伝会議

2004年03月07日(日)
 
MOT的思考:会計
 弁護士事務所の会計を10年以上担当している。
 昨日、税理士に申告資料を渡すことができた。
 お金という数値パラメータから、事業運営のパラメータが見えてくる。
 数値から、事業運営判断が出来るということだ。
 いつも反省するのだが、スピーデーな会計処理の必要性だ。
 会計情報をスピーデーに経営者に報告するこで、適切な経営判断ができるようになる。
 弁護士事務所でも投資判断、営業戦略作りなどなど、会計情報で経営の運営の仕方が変わってくる。

2004年03月05日(金)
 
特別課題研究:研究所への訪問
 企業の設備投資と研究開発費の投資の推移分析をするにあたり、
民間の某研究所のVさんを先生から紹介され訪問した。
 情報交換の中からいろいろなアドバイスをVさんから受けることができた。
 企業の設備投資が減っている原因の一つに、製造業の中でも売上におけるソフトウェア(システム構築など)
比重が高まっていることがある。製造業が、IBMモデルのような変化をしている。
 これらの企業では、設備投資より、開発費や著作権などの取得に投資資金が回る。
 次にEMS化があげられる。製造部門をアウトソースすることで設備投資が減っている。
 企業の将来の投資という観点で見たとき、M&Aに対する投資や、教育への投資に比重が変わっていることも見逃せない。

2004年03月03日(水)
 
MOT的思考:人の採用(転職者)
 技術者を採用するための面接を担当している。
 今日も、面接を行った。日本でも、人材の流動化が進む。
 私が、書類選考時に注意することは、人なりが見えるかだ。
 趣味の欄、意見を書くところ、どこでも良い。人間的なイメージが見えるかだ。
 見えないひとは、会っても「ロボット人間」と出会ったという印象だけが残る。
 面接時に注意するのは、転職理由にあり、前職において勝っているか、負けているかである。
 自分を主体に考えられているか、他人に原因を向けているかである。
 これからの企業は、変化できる人間が欲しい。今の能力も重要だか、これからどう変われるかが大変重要になる。

2004年03月01日(月)
 
MOT的思考:「感動」を知っていますか
 ”トップからの助言”(朝日新聞(夕刊)2004.3.1)にリコーの桜井社長の「『感動』をしっていますか」という
記事がでていた。
 「企業は、何かに感動している、あるいは感動がしたことがある学生を求めています。」
 「時代が求める新しい価値は常に、感動のなかから生まれますが、自分の価値観がなけれ
感動はありえないからです。感動と好きなことは一体で、それがしっかりしていない学生は方向が定まらず、
自分の将来も描ききれないのではないでしょうか。」
 感動することは大切だ、感動で涙を流せなくなったら、人生は暗い。
 心のそこから盛り上がるものを大切にしよう。
 感動する感性を磨きあげよう。