百 稽 ( けいこ )
番 号 | 019 | 基本テーマ | 技術者の心得 19 |
- | - | タイトル | 技術革新は失敗から。 |
概 要 | [PDCA] 失敗は対処が重要。原理・原則に基づいて対策する。 |
本 文 | 開発の仕事、失敗がないことはない。どんなに慎重に事を進めても、失敗は起こるものである。特に新製品の開発に失敗はつきものである。 もちろん、失敗はないほうが良い。だが、あまり失敗を意識過ぎると、技術への挑戦はできなくなる。 つまり、失敗を恐れて技術の革新はない。 大切なことは、挑戦する心である。 大切なのは、早く失敗に気付くことである。失敗、つまり問題を認識し、自覚することである。「失敗や問題があるから、技術革新や発明・発見があるのだ」と思うことである。 気付いた後が重要である。その対策を適切に行うことである。あわてるあまり、安易な処置に走ってはならない。対策には、セオリーがある。 次の手順をふんで進めたい。 ・第一段階〔現 象〕:問題の現象を充分に、かつ正確につかむ。 ・第二段階〔原 因〕:問題が何が原因で起こっているかをつかむ。 ・第三段階〔原理・原則〕:問題発生を回避する本来のあり方やその内容を原理・原則にしたがってつかむ。 ・第四段階〔対 策〕:問題を対策するための方法を明らかにする。 ◇現象 冷静な目で、現象を把握する必要がある。多くの人は、問題にあわてて一部の現象にとらわれて、肝心な現象を把握できないことがある。 ◇原因 原因が分からずに対策はないはずである。原因が分からずに対策を考えてしまうことが多い。「原因は分かりましたか」は、マネージャが担当者に問題が発生したときに必ず聞くべきことである。原因が分からずに、対策しても、適切な対策が打たれている保証はない。 ◇原理・原則 本来の姿が分かって始めて対策が考えられる。真理を理解しないで先に進むことは出来ない。 ◇対策 対策は原理・原則に基づいて行われるべきである。科学性が必要である。基本的問題を押さえずに、二次的対処で済ますことがある。これでは、予測外の条件下で問題が再発する。現在の状況を正確に把握し、原因をつかみ原理・原則に基づいて、処置方法を決定する必要がある。 |